2013年06月14日(金)

来週は日蓮宗社会教化事業協会総会で熊本へ

池上 大堂(昭和30年代末再建)池上 大堂(昭和30年代末再建) 熊本では熊本城、本妙寺など加藤清正公ゆかりの地を訪ねます。
今日はその事前準備というか、研究ノートを書きました。

歴史研究ノート (池上1)
 
池上本門寺 加藤清正公ゆかりの人々
 
(文責)小田原市 蓮船寺 黒澤龍章
 
はじめに
池上本門寺を参詣するとき、まず正面の石段「此経難持坂」を登る事となります。
池上では古来よりこの石段は慶長年間に加藤清正公が
徳川家康の江戸城増築に協力した際に、
石垣作りに使用した石材の一部を使い寄進したものであると言われています。
 
同じ頃(慶長年間)に五重塔、大堂(祖師堂)、が建設され寺域が整備されていったようですが、
特に大堂に関しては清正公の寄進により、
間口25間、奥行き23間とまことに大規模な建築であったと伝わっています。
 
池上では住職を貫首(かんじゅ)さまとお呼びいたしますが、
実は十一代までのご住職は池上に住まわれることなく、
兼務していた鎌倉比企ヶ谷妙本寺に住んでおられました。
天正十八年の小田原北条氏滅亡以後、池上に常住するようになったようです。
 
小田原の合戦では当時池上・鎌倉の住職であった日惺聖人が
徳川家康の所へ陣中見舞いに訪れています。
 
家康公本陣跡:小田原市寿町4丁目 (今井バス停付近)
 
この際に江戸城内に五ケ所の寺を配置し(鎮護国家の祈願所)
徳川氏の安泰を図るという計画がなされたようです。 
 
八丁堀・朗惺寺(現・品川区小山)、
神田明神下・蓮久寺(・文京区白山)、
馬喰町・善国寺(・新宿区神楽坂)、
浅草・正覚寺、
品川・蓮長寺です。
蓮長寺以外は新寺建立。
 
何故5ケ寺だったのでしょうか?
もちろん妙法蓮華経の五文字に根拠があります。
法華経の経力により敵を調伏するという事でしょう。
 
江戸時代初頭徳川氏の江戸入府により
新寺建立が盛んに行われたのですが、
それにともない池上本門寺は現在のような巨大寺院として整備された事になります。
その最大の功労者が清正公であることは明白です。
 
池上には清正公を祀る本堂、銅像等がありましたが(清正公堂)
戦争による供出や戦災、その後の寺域整備により現在は失われました。
かつて御堂の建っていた場所は池上の宝物を収める「霊宝殿」になっています。
境内には今も清正公ゆかりの人々のお墓(供養塔)が点在しています。
 
池上本門寺内
墓碑、供養塔一覧
 
 
「加藤清正公供養塔:浄池院殿日乗台霊」
慶長16年に没した加藤清正公の供養の為に
娘遥林院(紀州、徳川頼宣夫人)が慶安4年に建てたもの。
現在の霊宝殿裏になります。
 
 
 
妻が自分で建てた逆修供養塔
「正応院祐真日倚」
寛永三年七月五日 忠広、遥林院の母。忠広と共に庄内へ配流。 
大名の奥方は人質として江戸屋敷に住まわされていました。
池上に石の宝塔を建てて自分自身の現世安穏・後生善処を祈ったものでしょう。
 
54万石を改易。悲劇の二代目・加藤忠広公
「浄徳院殿寂乗日源」承応2年6月8日
 
娘「献壽院日龍」寛文2年6月22日の墓碑の隣に
とても大名のものとは思えぬ小さな石碑です。
 
幕府の突然の呼び出しに応じて江戸へと向かったにもかかわらず、
忠広公が江戸城入りを許されず池上本門寺で待機を命じられた時、
胸中はいかばかりであった事でしょうか。
父の建立した大伽藍も空しく目に映ったのではないでしょうか。出羽庄内に配流。
 
献壽院は父とは別に信州上田真田家預かりとして
26年間もの長きにわたり幽閉生活を送った人です。
 
忠広公の死後許され、叔母遥林院のすすめで嫁した夫阿部正重が
父の愛情も知らずに育った妻への哀れさか、不遇の父への追悼を表すためか、
施主として並べて建立しています。結婚生活はわずか三年の短さでした。
 
 
武蔵忍藩~陸奥白河藩~陸奥棚倉藩10万石 阿部氏墓域
 
車坂上の古い墓域にあります
 
清正公の側室 菊池氏「浄光院殿日英俶神尼」 寛永2年6月22日
その娘 古屋姫 「本浄院殿日昌神尼」    寛永4年8月19日
 
古屋姫は阿部正澄の妻になり子が二代忍藩主阿部正能。
徳川幕府の老中を務めた人物です。
阿部氏一族の墓域に供養塔として建てたものでしょう。
 
なお、車坂一帯に点在していた阿部家墓地は
車坂拡幅工事が行われた昭和10年代に
長栄堂裏にまとめられています。
ご縁があって「阿部三族墓前供養」として何回かご供養に参加しました。

池上 五重塔(国重文)池上 五重塔(国重文)

2013/06/14 19:38 | 未分類 | コメント(0)

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